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平成20年(2008)

57.日本商工会議所青年部全国会長研修会「長崎塾」を開催 (平成20年2月)

 平成20年2月8日・9日の2日間にわたり、長崎ブリックホールほかにおいて、日本商工会議所青年部第25回全国会長研修会「長崎塾」が開催された。
 期間中、全国の316商工会議所青年部から1400名を超える会員やOB、関係者が集った。
全国から1400名以上が集った青年部全国会長研修会
 開会式は、オペラ「マダムバタフライ」のオープニングに始まり、本所松藤会頭をはじめとする来賓、日本商工会議所青年部の原田会長などの主催者、会員など多数が出席し、盛大に開催された。
 「全国会長研修会」は、全国各地の商工会議所青年部の会長や次期会長予定者、熱意ある会員を対象として、地域を担うリーダーとしての資質の向上と意識の高揚や、青年部の直面する課題等についてそれぞれの立場に応じて意見交換を行なうことを目的とするもの。今回の「長崎塾」の特色として、テーマ別に「第壱塾」から「第伍塾」に分かれ、少人数で意見交換を行なった。
 このほか期間中は、長崎ブリックホールの屋内外で物産展を開催し、全国各地からの参加者へ長崎の物産品をPRした。
 最終日には「船中八策」と題して、各塾の研修成果について報告が行ない、「長崎塾」を総括した。

58.田上市長就任後初、長崎市幹部との懇談会 (平成20年4月)

 田上長崎市長就任後初めてとなる長崎市幹部(市長、副市長、部長級)との懇談会を本所にて開催した。
 この懇談会は、長崎市の今後の施策展開をテーマに開催されたもので、長崎市からは、田上市長ほか幹部職員11人、本所からは松藤会頭はじめ副会頭、専務理事ほか職員6人が出席した。
意見交換会の冒頭で挨拶する田上市長
 冒頭、松藤会頭は「会議所活動を実効性あるものとするためには、市との協力が不可欠。相互の気持ちを理解し、長崎を元気にするための糸口を見出したい」とあいさつ。
 引き続き、田上市長が「コミュニケーションを大切にし、連携を深めていきたい」と述べ、市の各担当部長が九州新幹線西九州ルートなどの今後の主要施策を説明した。
 意見交換では、人口減少への対策や建築物の高さ制限等について活発な意見交換が行われ、特に駅前再整備やまちなか再生計画、教会群の世界遺産登録などの重要プロジェクトについては、充分な意見交換を進めていくこととした。

59.九州新幹線西九州ルート「武雄温泉~諫早間」着工 (平成20年4月)

 平成20年4月28日、九州新幹線西九州ルート「武雄温泉~諫早間」(45.7キロ)の建設工事起工式が佐賀県嬉野市で開催され、長年の悲願であった九州新幹線西九州ルートがついに着工した。起工式では、冬柴国土交通大臣や金子長崎県知事などが鍬入れを行ない、建設推進に尽力した関係者の思いが結実した瞬間となった。
九州新幹線西九州ルート「武雄温泉~諫早間」の起工式
 長崎新幹線は昭和45年、「上海につなぐ長崎新幹線」をキャッチフレーズに建設要望が打ち出され、昭和47年12月に基本計画が決定。昭和48年に全国新幹線鉄道整備法の整備計画路線として決定されて以来、長年にわたり本所は建設推進活動に取り組んできた。
 昭和53年に長崎新幹線建設期成会が発足し、行政と一体となった建設推進活動を実施。国の財政赤字の拡大、国鉄の経営悪化のため建設凍結が閣議決定されるなど、整備は遅々として進まなかったが、その間も陳情活動を継続的に行なっていた。
 近年は推進活動がさらに活発化。与党、国会議員や中央省庁への要望を重ねたほか、着工決起大会の開催、佐賀県内沿線自治体、商工会議所への訪問活動を通じ、早期着工への協力を呼び掛けると同時に、新幹線の必要性や効果を県内外にアピールし、新幹線整備への機運を高めた。
 さらに、要望活動や広報活動に重点的に取り組むべく、平成19年4月には「新幹線建設推進特別委員会」を設置。「武雄~諫早間着工の早期実現」並びに「諫早~長崎間の早期実現」の課題解決に向け、国や関係国会議員などへの要望活動をはじめ、広く県民の理解を得るため、公共交通機関へ新幹線建設推進のステッカーを掲示したほか、講演会を繰り返し開催した。
バスやタクシーなど約4500台に掲示したステッカー
 また、長崎県商工会議所連合会をはじめ県内の経済関係6団体で組織する「九州新幹線西九州ルートを実現させる会」主催による決起大会を数回にわたり開催。西九州ルートの経済効果についての講演やスローガン唱和を行なうなど、早期実現を強く訴えた。
 こうした推進活動が実り、平成18年12月に「JR九州は、肥前山口~諫早間を経営分離せず、線路などの管理は長崎・佐賀両県が行なう上下分離方式として開業後20年間は運行を維持する」などの内容による合意が、長崎・佐賀の両県とJR九州の三者により成立。「武雄温泉~諫早間」の着工に道筋がつき、前述の起工式が開催されるに至った。
 本所では、その後も残る課題である「諫早~長崎間の早期認可・着工」「長崎駅部・同周辺部の連続立体交差事業の一体的整備」「佐世保線の複線化」などの実現に向けて、さらに推進活動を強化。この結果、平成21年度予算に長崎駅部の整備費用9億円が盛り込まれ、平成20年12月には、政府・自民党が「諫早~長崎間」など未着工3区間について、財源確保を前提に21年中に部分着工を認可することで合意するなど、長崎延伸へ大きく前進したかに見えた。
 しかし、平成21年9月に民主党政権が誕生。公共事業の大幅な見直し方針が打ち出され、平成22年度予算の概算要求において、JR長崎駅部など3区間の調査費7億円が削減された。これにより、JR長崎駅部を先に整備するシナリオは事実上白紙となった。
 本所は、今後も、「武雄温泉~諫早間」の既着工部分の着実な整備と、長崎駅部整備を含めた「諫早~長崎間」の早期認可・着工を求め、引き続き精力的に推進活動を実施していくこととしている。

60.地域連携拠点事業スタート、事業承継支援センター事業開始(平成20年5月)

 小規模企業等の抱える経営課題の解決を支援する「地域力連携拠点事業」を平成20年5月30日から開始した。
地域資源を生かした商品開発を支援する「地域資源・農商工連携マーケティング調査事業」
 この事業は、国の新規事業として全国的に実施されるもので、全国で316機関、九州では48機関、本県では本所の他、佐世保商工会議所、長崎県商工会連合会、長崎県中小企業団体中央会、長崎県産業振興財団、雲仙市商工会の6機関が国からの受託事業として実施。
 事業のスタートに際し、本所、長崎県商工会連合会、長崎県中小企業団体中央会、長崎県産業振興財団、雲仙市商工会の5団体による合同開所式が長崎商工会館で開催され、九州経済産業局中小企業課・松田課長、長崎県産業労働部・小島部長の来賓を始め、各拠点の専務理事や関係者約50人が出席し、甘利経済産業大臣のビデオメッセージを放映した。
 同事業では、地域の支援者となる「応援コーディネーター」を中心として、小規模企業等の経営力の向上、創業・再チャレンジ、事業承継などを支援するほか、農商工などの異分野交流による新事業の創出や地域資源を生かした商品開発、ITを活用した経営管理などにも対応するとともに、相談窓口をさらに拡充し、専門家と連携を密にして「きめ細やかで迅速な対応」を実施。
 また、本所では、事業承継に特化した「事業承継センター」としての活動も同時に開始し、創業予定者と後継者のマッチングや情報提供のを行ない、円滑な事業承継と創業支援を行なっている。

61.新現役チャレンジ支援事業スタート (平成20年5月)

 「新現役チャレンジ支援事業」を実施するため、新現役チャレンジ長崎事務局を平成20年5月15日に設置し事業を開始した。
 この事業は、昨年まで「OB人材活用推進事業」として実施されてきたものを、さらに中小・零細企業が活用しやすい内容に実施メニューを変更して実施するもの。
 当事業は、企業や団体を退職した後も、豊富な実務経験、専門知識、築いてきた人的ネットワークなどを活かして、地域・中小企業の支援を通じその活性化に貢献してみたいと思っている新現役とこうした人材を必要とする企業のマッチングを行ない中小企業の経営資源として活用するとともに企業の課題解決を支援していく。
 支援分野は、(1)経営企画・戦略立案 (2)海外展開・国際化 (3)情報化・IT活用 (4)販売・マーケティング (5)技術・製品開発 (6)生産管理 (7)物流管理 (8)経理・財務管理 (9)人事・労務管理 (10)法律・特許 などとなる。

62.ジョブ・カード事業スタート (平成20年5月)

 「ジョブ・カード事業」を実施するため、長崎県地域ジョブ・カードセンターを平成20年5月に設置し事業を開始した。
 ジョブ・カード制度は、職についていない若年層や子育てを終えた女性の就職を支援することを目的としており、個人の履歴書となるジョブ・カードに、自らの資格や職務経験、職業訓練セミナー等の受講履歴などを記載することにより個々の能力評価を高め、正規社員への道を開いていくもの。
長崎県ジョブ・カード運営本部会議
 企業としての制度利用メリットは、訓練としての有期雇用が可能となり、能力や適性をみて正社員として採用することができ、即戦力となる人材確保につながるほか、訓練期間中は人件費補助金を受給できるためコスト低減を図ることができる。
 同年8月には、行政、労働関係団体、商工団体等で構成する運営本部会議(委員長・前田克彦専務理事)を開催し、推進計画を承認。ジョブ・カードの普及に向けた事業説明会や広報活動、協力企業の開拓に積極的に取り組んでいる。

63.「長崎県新幹線西九州ルート建設事業に伴う地元活用を推進する会」結成 (平成20年8月)

 長崎県商工会議所連合会(会長・松藤悟会頭)は、平成20年8月8日、長崎県商工会連合会及び長崎県中小企業団体中央会と共に、「長崎県新幹線西九州ルート建設事業に伴う地元活用を推進する会」を結成するとともに、代表世話人等らが金子長崎県知事へ同会の結成の報告を行なった。
開会のあいさつをする松藤会長
 同会は、新幹線建設に伴う県内製品・県産品の優先使用及び県内企業への優先発注により、景気の維持・拡大や雇用の創出を図ることを目的に結成されたもので、同日は、九州新幹線西九州ルート建設事業に伴う地元活用についての説明会が開催され、商工三団体の役員・会員や建設関連等の事業者約150人が参加する中、長崎県地域振興部の多門政策監や新幹線建設推進課の當山参事が、工事実施計画の概要や鉄道・運輸機構の入札条件等を含む新幹線建設工事への参加について詳しく説明した。
 また、本所は同会の世話人を中心に鉄道建設・運輸施設整備支援機構や大手ゼネコンへ県内企業の活用について要望活動を実施した。

64.まちなか再生計画の建物の高さのあり方について長崎市へ要望(平成20年9月)

 長崎市が策定作業を進めている「まちなか再生計画」の建物の高さのあり方に関し、一様に高さ規制を実施することを盛り込まないよう、田上市長に要望した。
 今回の要望は、長崎市が検討を託した「まちなか再生計画策定検討委員会」の報告書に、市内中心部の全地域の建物の高さを31mに規制するとともに、周辺環境に配慮された地域等については45mとし、景観の保護、文化財や重要な観光地には、さらに規制をかけるとの考え方が示されていることに対して実施したもの。
建物の高さのあり方について田上市長へ要望書を手渡す松藤会頭
 松藤会頭は「一様に高さ規制を実施することによって、経済活動に大きな影響が予測され、規制の目的も明瞭ではない。短期間での意見集約、合意形成を図ることは無理を伴い、将来的に禍根を残す事が心配される」と要望の趣旨を説明。
 田上市長は「建物の高さのあり方についての基本方針は、市民的な検討を行なうとしており、“未来の視点“を外すことなく、10年後、20年後によかったと思えるように、広く市民の意見を聴きながら議論をしていきたい」と述べた。
長崎商工会議所
〒850-8541
長崎市桜町4-1 長崎商工会館2F
TEL.095-822-0111
FAX.095-822-0112/825-1490


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