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昭和58年(1983)

22.長崎先端技術開発協議会設立 (昭和58年3月)

著名な講師を招き開催したハイテク・シンポジウム
 地域産業の高度化を推進するため、産・学・官共同による長崎先端技術開発協議会が昭和58年3月に発足した。本所、県、長崎市、長崎大学、長崎総合科学大学などの共同スクラム。
 協議会はメカトロニクス、バイオテクノロジー、ニューセラミックスなどいわゆる先端技術産業が急速に発展するものと期待されたことから、これらを中心に本県の産業構造の多様化、先端技術の育成によって地域経済活性化を図ろうとの試み。会長に清島省三会頭、副会長に県経済部長、長崎市助役、本所内の先端技術導入促進特別委員長の安達倉三氏を選出。産学官共同体制の先端技術研究開発組織が整備された。
 事業計画は、 (1) 技術の共同研究 (2) 講演会、懇談会の開催 (3) 調査研究 (4) 地元大学の整備・拡充の支援など。
 協議会活動の中から全国から超一流の科学者、経済人多数を一堂に集め開催している『ナガサキ・ハイテク・シンポジウム』を開催することで、講師陣の著名さと質の高い内容が関係者の大きな評価を受けた。また共同研究、委託研究などの中から特許を出願するなど研究成果を着実に上げていった。
 こうした活動が実り、先端技術開発の必要性は各方面に浸透し、産学官連携による先端技術の研究・開発への支援基盤は格段に整備されていった。同協議会は、設立当初の目的は概ね達せられたとして、平成19年3月に解散し活動を終えた。

23.日中経済知識交流会開催 (昭和58年5月)

 本所は昭和58年5月、第3回日中経済知識交流会出席のため来崎中の日中両代表を招き、本所ホールで経済問題懇談会を開いた。来崎を機会に長崎市の経済事情や対外貿易などについての考え方を理解してもらうとともに、日中経済交流促進を図るのが目的。
 交流会メンバーに加え、長崎側から清島会頭、中部・田中両副会頭はじめ貿易関係者、県、市の担当者らが出席。清島会頭が市内の経済や長崎と中国の交流経過など説明、中国総領事館の長崎市設置も強く要望した。これに対し、中国側の馬洪中国社会科学院院長が、自国の経済状況、経済協力、工業近代化などを説明、日本側の大来内外政策研究会会長が、日中経済交流への長崎の協力を求めた。
 懇談は日中両国とも活発で、本所の対中交流推進のうえでも大きな収穫があった。

24.「長崎市災害復興産業資金」による商店街環境整備 (昭和58年7月)

 7・23長崎大水害において、被災した市内商店街(法人・任意)に全国から寄せられた見舞金の一部で、長崎市が「長崎市災害復興産業資金」を創設、商業者団体に配分されることになった。
 本所が窓口となり、各商店街よりの要望に対して被災状況を確認し、昭和58年度から3ヵ年度にわたって、商店街活性化のための構築物の新規または補修、改修に対し、事業総額の70%~90%の範囲で総額一億円の補助を行なった。
 この機会に環境整備事業を実施した商店街は、築町、中通り、新地湊市、浜ロ町、銅座町、江戸町など3ヵ年で18商店街にのぼり、事業内容は街路灯、アーチ、アーケード、放送施設、サインポールなど集客力を高めるための施設が多く建設された。

25.水害1周年で感謝デー (昭和58年7月)

 昭和58年7月、本所は7・23長崎大水害1周年を迎え、復興に感謝するためふるさと産品感謝デー・国際輸入品バザールを開催。県物産振興協会、県貿易協会との共催で、消費者サービスを図った。
 バザール参加業者は、県産品取り扱い35社、輸入品取り扱い6社。全商品を市価の2割以上割引で提供した。また、水害で大きな被害を受けた市内の各商店街でも復興に感謝する各種バザールなどを開き、思案橋通り商店街は犠牲者の霊を慰め、風情ある街づくりを目指してガス灯を設置、点灯式を行なったほか、浜町商店街もナイトバザールを実施、大水害からの立ち直りを示した。
 このほか市内各地で水害追悼式が行なわれ、夜は中島川で万灯流し、花火大会などがあった。

26.臨港部の再整備を提言 (昭和58年10月)

 昭和58年10月、本所は松が枝国際観光埠頭利用計画を中心とした長崎港臨港部の再整備についての提案(その1)をまとめ県・市に要望書として提出した。停滞が懸念されている市の経済活性化と活力に満ち、快適な生活環境を備えた県都創造のための総合的ビジョン。
 提言は本所都市環境整備特別委員会(松田皜一委員長)が、専門委員会(石野治長崎総科大教授ら10人)を設け、まとめた。それによると、長崎市都市形成の経過と今後の整備の在り方について基本的理念を示し、臨港部整備の必要性とその方向を提示した。
 都市計画の方向については (1) 外緑化を反省し、都心への回帰を図る (2) 裏玄関化しつつある港の見直し(水辺の再生、港の活性化) (3) 物流、人流の総合的計画確立の必要性を強調。さらに臨港部は、 (1) 海の玄関(松ケ枝地区)と陸の玄関(長崎駅周辺)をそれぞれ観光、市民生活の拠点とする (2) 元船、常盤地区は物流、商業実務機能とレクリエーション機能との調和のとれた高度利用 (3) 長崎駅から茂里町一帯は新業務地として位置付け、流通、商業施設の整備に加え、高密度で良好な住宅の整備が望ましいとまとめている。
浦上川沿いの再開発についても提言
 主題の松が枝国際観光埠頭は国際観光客の受入基地として、また市内観光の拠点、さらには陸上、海上交通の結節点としての性格を持つべきと提案。国際観光航路ターミナル、CIQ、銀行、領事館、観光案内所、コンベンションホール、レストラン、ポートタワー、広場、ヘリポート、駐車場などの設備が必要。さらに背後に広がる南山手の観光施設と景観の連続性を持つ工夫が望まれた。
長崎商工会議所
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