本文へ移動

昭和62年(1987)

52.税制改革への取組み (昭和62年1月)

 売上税など新設の動きに対し、本所は日本商工会議所の方針に沿って売上税等特別委員会(小川栄一委員長)を設置。各業界の考え方、問題点などを聴くとともに、売上税反対の姿勢を打ち出した。その後、売上税が国民の理解を得られず廃案になったため、同委員会を改編し、税制改正特別委員会と改称、新しい税制改正の流れに即応体制をとった。
 売上税等特別委は、政府が実施しようとしていた税制改革である。中でも売上税の創設は企業経営に多様な影響を与えることが懸念されたことから、税制についての研究、地域産業社会への影響、各業界の意見要望などを把握する必要が緊急課題だった。日商においても自民党税制調査会の63年度税制改正大綱を受けて、税制改正そのものを疑問視、特に売上税については、中小企業、流通業界の反対の意向を踏まえ、国民的コンセンサスを十分得ない段階での改正は問題が大きすぎるとの判断を示した。
 このため本所特別委は、各業界の売上税についての考え方、問題提起などを調査、検討を加えていった。結局、売上税問題は廃案に追い込まれたが、政府の新たな税制改革の動きが高まっていた時期でもあったため税制改正特別委に組織を改編。その後、導入されることになった消費税などへ対応していった。

53.長崎県主要プロジェクト推進大会開催 (昭和62年3月)

 本県の基幹産業の造船業の構造的不況、加えて、三菱高島炭鉱の閉山、円の高値安定による地場産業の衰退等もあり、本県経済が低迷状態にあったため、昭和62年3月、長崎県、県議会等の関係機関と県商工会議所連合会等の主要経済団体は「長崎県主要プロジェクト推進大会」を開催した。不況突破と地域経済の活性化が開催のねらい。
 各主催者団体等からの参加者は800名を超え、会場は満員の盛況で熱気に溢れ、プロジェクト推進への関心の高さが窺われた。
長崎新聞文化ホールで開催された長崎県主要プロジェクト推進大会
 まず、高田知事、初村県議会議長、清島県商工会議所連合会々長らが、「本県経済は、基幹産業の造船業の不況長期化、三菱高島炭鉱の閉山、円高不況の三重苦にあえいでいる。地域の活性化は絶対、緊急の課題であり、県民の総意をもって実現に努めたい」と決意表明。県経済の情勢報告や県選出国会議員とプロジェクトに密接な関係のある経済団体や市町村の代表から、意見が表明された。
 最後に、国等に強く訴える5項目の大型プロジェクト推進決議文を満場一致で採択、即、行動に移し陳情を行なうことになった。
 最後に、国等に強く訴える5項目の大型プロジェクト推進決議文を満場一致で採択、即、行動に移し陳情を行なうことになった。
 採択された決議文(5項目)は次のとおり。
(1) 公共事業の大幅増額と重点配分による大型事業の促進 (2) 上五島石油備蓄基地第2期工事の早期着工と県内企業優先発注 (3) 松浦火力発電所2号機の早期着工と県内企業優先発注及び松浦港の開港促進 (4) 地域経済活性化のための助成支援制度の創設と規制の緩和 (5) 総合保養地域整備法(リゾート法)の特定地域の指定

54.全国商工会議所専務理事会開催 (昭和62年5月)

 昭和62年5月、第41回全国商工会議所専務理事・事務局長会議が長崎東急ホテルで開かれ、約500人が出席した。
 初日は代表専務理事会議、規模別商工会議所専務理事懇談会などで各地区の会議所の運営、活動など情報交換した。2日目は清島省三会頭、杉山弘通産省産業政策局長、佐久間謙司福岡通産局長、高田知事らも出席。杉山局長が『当面の通産政策の課題』、守屋日商常務理事が『商工会議所をめぐる当面の課題』と題して講演。各地の代表が『商工会議所ネットワーク網の形成』『事業収入問題』などをテーマに報告した。記念講演では日本二十六聖人記念館長の結城了悟氏が『大村純忠とポルトガル貿易』と題して鎖国時代の長崎と海外貿易について興味深い洞察を披露した。

55.ながさき自由市場開設 (昭和62年10月)

 長崎の物産、工芸品の堀り起こしと市民総参加のイベントをと、昭和62年10月、本所は長崎市と共催で『ながさき自由市場』を開いた。『出会い・交流そして新しい文化の創造』をサブテーマに市民、商工業者のコミュニケーション、ネットワークづくりが進んだ。
賑わうテント内の県産品、輸入品の即売コーナー
 第1回目は茂里町の三菱長崎機工跡地を会場に、参加企業170社、入場者17万6千人。メインテント2千73 平方メートルを中心に、ながさきメイド、ようこそメイド、異国メイド、ながさきアート、もってこい市が繰り広げられ、県産品、輸入品、県外産品などの即売が行なわれたほか、市民の自由参加によるガレージセール、飲食コーナー、長崎工芸の実演など盛り沢山。ステージやイベント広場では『遊ぶ』『演じる』をテーマに、園児マスゲーム大会からスタジアムトライアル、大正琴と幅広いジャンル、年齢層で県内外から30団体、1,300人が出演し、市民文化祭さながらのにぎわいぶりだった。
 第2回以降、会場は油木町の長崎商業跡地に移し、平成元年11月まで3回が行なわれた。

56.地域小売商業消費者関連事業実施 (昭和62年)

 地域小売商業者が生協、大型店等の事業活動の活発化に対処して安定的発展を図るために地域小売商業者と消費者が連携を強化。共同して調査研究等の事業を実施することにより、地域小売商業の振興を図ることを目的に昭和61年度、62年度の2ヵ年にわたり、中小企業庁と県より補助を受け当該事業を実施した。
消費者相談窓口をPRするポスター
 昭和61年度の対象商店街は23商店街で補助金額500万円。
 事業内容は、消費者対策推進事業として、消費者相談箱の設置、消費者相談窓口の設置、消費者との意見交換のための懇談会開催、「買物情報」看板の設置、中心商店街(浜市、観光通り)活性化のための消費者動向調査の実施、消費者、小売商業者関連事業として2商店街で消費者との連携を目的としたイベントを実施した。
 昭和62年度対象商店街は、13商店街で補助金額300万円。
地域との料理教室
 事業内容は、消費者対策推進事業として消費者懇談会開催、商店街の将来のビジョンを明確にしてシンボルマーク、キャッチフレーズを作ることにより個性的な商店街づくりを進めるCI(コミュニティ・アイデンティティ)導入事業、消費者のための「商店街情報」「買物情報」看板の設置、生活改善向上グループ事業として、地域住民とのコミュニケーションの強化を目的に、食生活改善のための料理教室、健康増進を図るためのスポーツ教室を開催したほか、消費者、小売商業者共同事業として地域住民総参加によるイベントを実施した。
長崎商工会議所
〒850-8541
長崎市桜町4-1 長崎商工会館2F
TEL.095-822-0111
FAX.095-822-0112/825-1490


0
9
3
0
0
9
3
TOPへ戻る