平成22年(2010)
1.長崎港小ケ倉・柳地区整備工事の早期完成を要請(平成22年1月)
本所は、長崎市、長崎港コンテナターミナル運営協会、長崎港活性化センターとの合同で、長崎港小ケ倉・柳地区整備工事の早期完成の要請を行なった。
これは、小ケ倉・柳埠頭の老朽化と狭隘化に伴う埠頭の改良・拡張工事が平成19年度から進められている中、国の事業仕分けで港湾関連事業が削減される方針が出されたことから、同工事の遅れや中止の可能性がでてきたために行なったもの。
これは、小ケ倉・柳埠頭の老朽化と狭隘化に伴う埠頭の改良・拡張工事が平成19年度から進められている中、国の事業仕分けで港湾関連事業が削減される方針が出されたことから、同工事の遅れや中止の可能性がでてきたために行なったもの。
当日は、高田本所副会頭はじめ、田上市長、金子長崎港コンテナターミナル運営協会会長(本所運輸・港湾部会副部会長)などが、衆議院議員で民主党長崎県総支部連合会代表の高木義明衆議院議員を訪問し、同埠頭の現状や長崎における港湾施設の重要性等について説明した。
これを受け高木代表は「小ケ倉・柳埠頭はアジアのゲートウエイとしても長崎の活性化に重要な機能なので、国による選択と集中の中に同港が選択されるよう努力する。ただし、県内でも港湾整備の要望が多い。佐世保港などとの相互の高度化を進めるなど、小さいなりの機能を強化していくことが必要」と述べた。
2.長崎中小企業応援センターを開設(平成22年4月)
本所は、平成20年度より経済産業省より受託していた『地域力連携拠点事業』の後継事業として『長崎中小企業応援センター』を長崎県商工会連合会及び長崎県中小企業団体中央会、十八銀行、長崎銀行との共同体(コンソーシアム)により受託。開所式が本所2階ロビーにて行なわれた。
この事業は、中小企業が新規の販路開拓や技術革新などの高度で専門的な課題に取り組む場合に、センターがワンストップでその相談に対応し、専門家を無料で派遣したり、セミナーなどを開催して企業を支援するもの。県内では佐世保商工会議所内にも設けられた。
開所式では、コンソーシアムの代表法人である長崎県商工会連合会の宅島会長をはじめ、本所の前田専務理事のほか、各構成法人の代表や九州経済産業局、長崎県より来賓を迎え、テープカットを行なった。
同センターでは、各構成団体が持つ得意分野を活かし、連携を強固にすることで、地域における支援機関の機能を強化し、中小企業へのさらなる経営支援を目標としている。
3.都市経営戦略策定検討会 提言を発表(平成22年5月)
本所はじめ、長崎経済同友会、長崎県経営者協会、長崎青年会議所の経済4団体で構成する都市経営戦略策定検討会(座長・高田浩司本所副会頭)は、約10カ月にわたって検討した長崎地域の経済活性化策について提言を発表した。
当日は、経済団体を代表して松藤悟本所会頭が「提言書の取りまとめには、4団体に所属されるメンバーと、行政・大学の多くの皆さんが一堂に会され、長崎の将来に対する危機感を共有し熱心な議論を重ねていただいた。子や孫たちが末永く安心して暮らせる長崎となるよう、地域を挙げた活動に引き続きご協力賜わりたい」とあいさつ。
当日は、経済団体を代表して松藤悟本所会頭が「提言書の取りまとめには、4団体に所属されるメンバーと、行政・大学の多くの皆さんが一堂に会され、長崎の将来に対する危機感を共有し熱心な議論を重ねていただいた。子や孫たちが末永く安心して暮らせる長崎となるよう、地域を挙げた活動に引き続きご協力賜わりたい」とあいさつ。
続いて、同検討会が「みんなでつくろう元気な長崎」をスローガンに、長崎地域の衰退傾向に歯止めをかけ、希望に満ちた長崎づくりのため地域市民・企業・行政・大学等地域全体で連携し行動することを提言した。
また、「基幹製造業」「観光」「水産」「大学(教育)」の4分野を柱に定量目標と重点施策を掲げた成長戦略を説明し、提言の具現化を図るための推進体制や、フォローアップ体制の整備、経済団体・長崎県、長崎市、長崎大学等の各代表が直接意見交換を行なう「長崎サミット(トップ懇談会)」を開催すること等も盛り込んだ。
4.人“財”育成実践講座をスタート(平成22年7月)
5.長崎地域水産練り製品ブランド化推進委員会が始動(平成22年5月)
本所は、「長崎地域水産練り製品ブランド化推進委員会」(委員長・石橋道康長崎蒲鉾水産加工業協同組合代表理事組合長)の初会合を行なった。
この事業は、長崎の水産練り製品のブランド化、販売促進等を図るために、産学官が連携し、業界の課題抽出や戦略を検討するなど、新商品作り、テストマーケティング、展示会への出展等を行なうもの。
本所の前田専務理事が「長崎のかまぼこのブランド化により、全国的な知名度が高まり、水産練り製品業界のみならず、水産関連業全体の売上増と底上げに寄与することを期待している」とあいさつし、本事業の趣旨説明のほか長崎市が実施している水産練り製品製造業者に対する実態アンケートの経過説明を行なった。
また、6月17日には、同推進委員会の作業部会であるワーキング会議を開催し、業界の状況や戦略商品について意見を交換。同月23日には、第1回目練り製品研修会を開催。商品開発の手法とポイントについて研修した。
6.長崎サミットで産・学・官のトップが初会合(平成22年7月)
市内ホテルにおいて、産・学・官のトップ7人が一堂に会し、長崎の将来と地域経済の活性化策をテーマとした「長崎サミット」を開催した。
これは、今後、人口減少等により長崎地域経済が縮小傾向にある中、産学官で危機感を共有し、地域活性化に向けた相互連携をさらに強化することが必要として、本所をはじめとする長崎経済同友会、長崎県経営者協会、長崎青年会議所の経済4団体が、長崎県・長崎市・長崎大学に呼び掛けて実施したもの。
中村法道知事、田上富久市長、片峰茂長崎大学学長、宮脇雅俊長崎経済同友会代表幹事、相馬和夫長崎県経営者協会会長、山下憲一長崎青年会議所理事長、松藤悟長崎商工会議所会頭が出席。
会議では、松藤会頭が進行役を務め「産・学・官のトップが同じテーブルについて、都市の今後について話し合うことはおそらく国内でも前例がない。これを機会にどのようにして長崎を元気にするかについてご議論いただき活性化につなげたい」とあいさつした。
会議では、松藤会頭が進行役を務め「産・学・官のトップが同じテーブルについて、都市の今後について話し合うことはおそらく国内でも前例がない。これを機会にどのようにして長崎を元気にするかについてご議論いただき活性化につなげたい」とあいさつした。
続いて、経済4団体で構成する都市経営戦略策定推進会議の高田浩司議長(本所副会頭)が、4団体で取りまとめた提言書「みんなでつくろう元気な長崎」の概要や、年内に着手する重点項目、今後の推進体制等について説明し、了承を得た後、意見交換を行なった。
席上、長崎県経営者協会の相馬会長(三菱重工業㈱長崎造船所・所長)から、長崎造船所香焼工場における客船建造と観光活用についての提案があり、期待される経済効果が大きいことから、今後、実現に向けて検討していくことを申し合わせた。
また、そのほかの活性化策についてもワーキンググループを設置するなど、産学官の垣根をなくし連携を強化するとともに、地域の総合力で行動していくことで合意した。
さらに、長崎サミットの継続開催を決め、次回は半年後の平成23年1月に開くこととした。
さらに、長崎サミットの継続開催を決め、次回は半年後の平成23年1月に開くこととした。
7.長崎商工会議所IN滑石を開催(平成22年9月)
本所は、滑石地区において、地区別懇談会「長崎商工会議所IN滑石」を開催した。
本事業は、地域の実情を把握し、振興策の参考とするため実施したもので、今回は、消費の低迷や時津町への相次ぐ大型商業施設の出店などにより、厳しい環境下にある同地区で実施したもの。
本所から松藤会頭、高田副会頭、中牟田商業部会長、石丸長崎市商店街連合会会長が出席。滑石総合ショッピングセンター商店会の関係者や同地区の会員事業所等34人と意見を交わした。
冒頭、本所から市内の商業環境や商店街の現状や課題などについて説明を行なったあと、同商店会の八並会長からは「数年前から大型商業施設の出店が相次ぎ、特に土・日・祝日の客数が減少している」と厳しい現状等について報告があった。
意見交換会では「個店に対し支援をお願いしたい」「分かりやすいセミナーを開催してほしい」などの要望のほか、他商店街のポイントカードの取り組み状況や周辺道路の拡幅工事計画、長崎新幹線の計画などについて質問があった。
松藤会頭は「情報化や高齢化に対応したネット販売や宅配サービスなど、消費者の視点に立った経営やサービスを行なってほしい」と、自身の考えを述べた。
8.製造業振興について県と意見交換(平成22年9月)
本所造船・機械・工業部会(部会長・永井剛本所常議員)は、市内ホテルにて、長崎県の製造業振興関係部局と製造業振興に関する意見交換会を開催した。
長崎県より産業労働部、科学技術振興局、産業振興財団、工業技術センターの担当者13人、本所の永井剛造船・機械・工業部会長、西亮長崎工業会会長はじめ、県内商工会議所の製造業関連会員企業の会員など30人が出席した。
はじめに、上村昌博長崎県産業労働部長より「長崎県の産業振興について」と題して講話があり、その後、新エネルギー関連プロジェクト、人材育成、研究開発・産学官連携の3テーマについて意見交換が行なわれた。
参加者からは、太陽電池や風力発電装置など本県の有する高い技術を、スマートグリッドやエコタウン構想などと組み合わせて新システムとして効果を出すなど将来に向けたビジネスモデルへの支援や、各種助成金に係る県への提出書類の簡素化、人材育成に関する意見など多くの発言があった。引き続き、さらに情報交換を図るため交流会も行なわれた。
9.会頭に松藤悟氏を再任(平成22年11月)
本所は、11月1日に臨時議員総会を開催し、松藤悟会頭の選任を含む本所役員人事を決めた。
副会頭には、上田惠三氏(長崎自動車㈱社長・再任)、渡邉悦治氏(㈱渡辺造船所社長・再任)、里隆光氏(㈱十八銀行顧問・新任)の3人が、また、専務理事には、前田克彦氏(再任)が就任した。
総会ではこのほか、常議員、監事、相談役、名誉議員を選任した。任期は平成25年10月31日までの3年間。
なお、残る副会頭一人は、12月に臨時議員総会を開催し、小松雄介氏(三菱重工業㈱長崎造船所顧問・新任)を選任した。
10.商業・商店街リーダー育成塾を開講(平成22年10月)
本所は、商業者や商店街関係者の人材育成、個店の魅力アップなど商店街の活性化を図るために、経営革新塾「商業・商店街リーダー育成塾」を全8回に渡り開催する。1回目となる今回は、県内の商業・商店街関係者26人が受講した。
初めに中小企業診断士の加藤博幸氏が、人口の減少、大型店の出店、通信販売の普及など、個店を取り巻く環境の課題を挙げ「経営環境が大きく変化し、既存の事業では対応できなくなっている。新規事業や新たな付加価値の創造に取り組んでほしい」と経営革新の必要性を指摘した。
引き続き、長崎県産業労働部の上村昌弘部長が、「地域商店街に期待する姿」をテーマに講演。「消費者は専門的な知識を持ち、顧客ニーズに対応できる魅力的な店舗づくりを望んでいる。個店に磨きをかけ、繁盛店を作りだし、地域づくりやまちづくりの核となる元気な商店街を作りだしてほしい」と思いを語った。
本講座は、先進地商店街の視察のほか、受講者が所属する商店街の活性化策について具体的に検討していく。
11.新入会員交流会を開催(平成22年11月)
本所は、『新入会員交流会』を開催。当日は、過去3年以内に入会した会員約20人が参加した。
これは、商工会議所の事業概要や会員メリットを知ることで、今後の経営に役立ててもらおうと初めて企画したもの。
冒頭、前田専務理事が「松藤会頭の方針のもと、会員の声をよく聴き、会議所活動に生かすことを念頭に、会員のニーズに合った様々な事業を展開してまいりたい」とあいさつ。
続いて、最新の経営支援メニューや福利厚生制度の導入、会員サービス等について説明を行なった後、参加者同士で名刺交換し、互いの交流を深めた。
終了後、一部の参加者は引き続き行なわれた『第2回ビジネス交流会』へ参加し、自社商品をプレゼンテーションするなどして異業種との情報交換に努めていた。
12.九州新幹線西九州ルートの諫早〜長崎間の早期認可・着工を要望(平成22年11月)
本所は、諫早・大村・福江商工会議所などの 県内経済団体と、長崎県、長崎県議会との合同で、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の整備促進に関する要望を行なった。
要望には、松藤会頭ほか各団体の代表をはじめ、中村法道県知事や末吉光徳県議会議長など約20人が上京。民主党陳情要請対策本部の大久保勉副本部長のほか、同党新幹線議員の会、自民党本部の小池百合子総務会長、公明党の東 順治副代表、国土交通省の政務官などに対して要望書を提出。西九州ルートの整備効果を十分発揮するために、諫早~長崎間の早期認可と武雄温泉~長崎間の一括開業が必要などと訴えた。
今回の要望要旨は、①諫早~長崎間の早期認可・着工、武雄温泉~長崎間のフル規格整備と一括開業、武雄温泉~諫早間の着実な整備、②肥前山口~武雄温泉間の複線化等改良、③フリーゲージトレインの技術開発促進、地元負担の軽減、佐世保への乗り入れの調査・実証運行、④鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金の有効活用などによる財源の確保、⑤在来線維持に係る地方負担軽減のための制度の充実または創設を求めるもの。
なお、国の平成22年度補正予算が成立し、武雄温泉~諫早間の事業費として、当初予算の70億円に1億8千万円が上積みされた。